夏季頭痛の小説捨て場

小説捨ててあります

非日常school 第3話 【非日常に熱血教師】

 

光は、あまり好きじゃない

 

前にも言っていたな・・・・・・

 

光はまぶしくて、目を開けていられないから

 

目を閉じると、暗闇になってしまうから

 

だから好きじゃない

 

でも闇はもっと嫌いだ

 

目を閉じても、開いていても変わらない、「暗闇」だからだ

 

でも、だからって、「ひかり」の向こうにはどうせ何もないんだ

 

「やみ」を超えても、どうせ、何もないんだ

 

そんなことを言って、僕は

 

逃げ続けていたんだ

 

 

4月3日

高等部に通う少年、千崎 柳火は、今日は珍しく速く学校についていた。

つまりは、いつもは遅く来ているということだが・・・・

理由は特にない、とも言い切れない

いつも学校にくると女子にきゃぁきゃぁ騒がれるから、というくだらない理由だ。

それ以外は、なにもなかった

いつもと変わらなかった

「まぁ、変わらないのは結構いいことでもあるんだけどな」

柳火は教室へ歩き出した。

 

・・・・・・・・・・・・・・

でも、本当の意味で何も変わっていなかった

 

「あぁ!!柳火クンおはよーーー!!」

「今日は早いね!!どうしたの!?」

「まさか、私達にはやくあいたくて?とか!?」

「きゃーーーー!!♡なにそれ!言ってほしい!!」

「柳火クン!言って言っておねがーーい!♡」

 

・・・・・・なんということだろう

柳火は一瞬目を疑った

夢でも見てるのではないかと

幻覚ではないかと

だがこれは紛れもない「真実」だった

なんと、女子は相当早い時間から登校してきているようなのだ。

思考が停止してしまった「少年」は少しだけ眩暈がしていた

(oh・・・・・マジデスカ)

「柳火クンどうしたのー?」

「「「「柳火くーーん!」」」

 

・・・・もはや合唱だった

「ほ・・・・、星夜・・・・、たすけて・・・・」

助けを求めてみる、が

 

返事はかえって来なかった

なんせ、来ていないのだから

(あぁ、早く来ても得することって、ないなぁぁ・・・・・・)

今日、彼は一つ学んだ

「早起きは、別に得はない」

 

8時になった

あと5分もすればHLが始まる

もちろん星夜も鈴村も来ていた

「星夜、早起きしても三文得しないね」

「は?」

今日も1日が始まる

 

キーンコーン・・・・・・

チャイムが鳴り響く

島全体に聞こえるように鳴らすため、かなり音がでかい

「音デカい・・・・・、いまだに慣れてないなぁ僕も」

「俺もなかなか慣れねぇなぁ・・・」

柳火と星夜は耳をふさいでいた

他の生徒はみんな何食わぬ顔をしている

「すごいよねこんな爆音にたえられるとか」

「確かにな、耳栓でも隠し持ってるんじゃねぇの」

そんなくだらない話をしていると、ガラっ、という音が聞こる

教師が入ってきたのだ

周りからはなぜか小さな笑い声などが聞こえてくる

その理由を柳火は知っていた

「メガロ先生、小っちゃいもんなぁ・・・・」

そう、教室に入ってきた「人物」は、

小学六年生を想像させるような、小柄な、いや、そんな言葉じゃ片づけられないくらいの「幼女」だったのだ

(まぁ、外見がねぇ・・・・・・)

「おい貴様ら!!なに笑ってんだ!!」

その「幼女」は、大きい声で怒鳴る(?)

なんともかわいらしい声だ

「て、てめぇら!!俺が小っちゃくて女っぽいからって、笑ってんじゃねぇぞ!!」

そう、この「幼女」にしか見えない人物は

わが二年d組の担任、しかも22歳に男性なのだ

しかし、それすら嘘とも思える顔立ちに体型・・・・・・

筋肉のついていない細い腕に、細い脚。身長は見ただけで150㎝くらいだろうか

顔立ちについては、かわいらしい少女のようなのだ。

そのため、生徒からは「ロリッ娘先生」やら「ショタ先生」、あげくに果てには

「ちびちゃん先生」なんてニックネームも。

しかし人気が高く、親しみやすいのがかなりの長所とも言える。

能力を持っていないらしいが以上に強く、いつでも鉄拳制裁できるはずなんだが・・・

(生徒に手を出さないあたり、優しいよなぁ)

そんなかわいらしい22歳の教師、名前は「メガロ・ディサイア」という。

メガロ先生の数学はとても分かりやすいのが好評だ。

「おい、柳火、いま、かなり失礼な創造してなかったか?しかもながながと・・・!」

メガロ先生は柳火を睨むようにみていた

周りの視線も柳火に集中していた

(やばっ・・・・・)

なんとか言い訳することにした

「いっいっいやぁぁ!!まっさか!そんなわけないですヨ!!想像はしてましたけど創造なんてしてませんよ!!」

言い訳するポイントまちがえたぁぁぁぁぁぁぁ!!

ナニ言ってんの僕は!!想像してたけど創造してないって余計に失礼じゃないか!!

柳火は言い終わった後にすごく後悔した

それはもう、まるで苦しむように

そんな葛藤のさなか、メガロ先生が震えた声で言葉を発する

「そ、そんなに俺が小さいか・・・・・・!悪かったな小さくて・・・・・・!!ガキに見えるかよ俺がっ・・・・・・・・!!!くそぅ・・・・・・!!」

メガロ先生は震えていた

たぶん怒りで、それもかなり強い

 

と、思ったら泣き出した

「ふぇぇんん・・・・・・、俺だってぇ・・・、好きでこんな体に生まれてきたわけじゃねぇんだよぉ・・・・うぇぇぇぇん・・・・・・・」

・・・・・・・やっちまった

まわりが冷たい目をしている

おいおい柳火~、なにやってんだよ、とか

柳火クンヒドーイ、とか

メガロたん泣かせてんじゃねぇぞplayboyが!!、とか

最後のは変態性が感じられたが・・・・・

まぁ、そんなことばも飛び交った

(とりあえず謝っておこう)

席を立ち、泣いているメガロの前まで移動する

 

そこで土下座した

「すみませんでしたっっっ!!!!!」

普段はあまり聞けない柳火の大きな声に教室のみんなは驚いていた

柳火が誤ってるとこ、おれはじめてみたわー、とかいう奴もいた

 

「なぁ・・・・・・」

メガロが何かを問うように聞いてくる

「はい、なんでしょうか」

「俺って、そんなに、子供に見えるのか?」

(うっ)

うるんだ瞳が異常にかわいくて、やっぱり22歳の男性には見えない

そしてやはり、柳火もたしかに一人の男である

そんなかわいらしい顔をみせられてしまったら

(やばい・・・・かわいすぎるっ、ホントに男かこの人!!)

・・・・・心の中で本音を吐き出していた

周りの目を気にしていたわけではないが、やはり口に出すのは恥ずかしい

なので、心の中で吐き出した

「メガロ先生・・・・・・」

「ふぇっ?」

・・・・・なんだこれ・・・・・・

「メガロ先生は、十分大人っぽいっすよ!!!」

「っ、そんな気休めはいらねぇんだよぉぉぉぉぉぉ!!!」

あれ?

チョップされた、斜め45度からの的確なやつを決められた

(いやだってあなたさっき「俺って子供っぽい?」って聞いてきたジャンすか)

どうやらメガロ本人もスモールだったのは自覚していたらしい

というより、自覚していたほうが正常である

(まぁ、さっきも自分で「小さくて女っぽい」って言ってたしね)

そのまま意識を失った、さらば柳火

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・保健室で目が覚めた

「大丈夫か?」

ベットで寝込む柳火に声をかけたのは星夜と・・・・

「・・・・・・田中君?」

「おう!大丈夫かよ柳火~、でもすげぇな、あのメガロっちのチョップくらって生きてるなんてなぁW」

そう、もう一人そこには男子生徒がいた

名は田中 雅一(たなか まさいち)

平凡な、見た目だけなら弱そうな感じの彼だが、戦闘成績は鈴村より上とか。

気さくでお調子者な性格なので、ウケがよく、クラスの人気者だ。

一応柳火とも友人関係はあるが・・・・

(そういえばあまり話してなかったな最近・・・・)

彼とは小等部のころに知り合っているが、進級してもクラスが合わないためか、あまり話していなかった

「あ、うん、大丈夫・・・、そういえば」

「ん?」

「田中君と喋るの久しぶりだね」

「そうか?」

雅一は頬をかきながら、すこしだけ首を傾げた

「そーーーかもしんねぇなぁ、なんせ、同じクラスになったのは4年ぶりだしなぁ」

「だね」

笑いあう

田中君は、いいやつだと思う・・・・

「ていうかいい加減、ま・さ・い・ちって呼べよな」

「ん」

そういえばまともに名前で呼んだことなんてなかったな・・・・

柳火はすこしだけうなずき

「うん、わかった、改めてよろしく雅一君!」

と返事を返した

「おぅ!改めてよろしく、だな!!」

彼も笑う

うん、やっぱりいい奴だな

 

「そういえば」

雅一と柳火が話していたため、喋ることのできなかった星夜が口を開いた

「次の授業って、戦闘訓練だろ?」

「え?あぁ、そういえば」

「そうだったか!?」

柳火は理解していたようだが、雅一は忘れていたらしく「やべーな」とでも言いたげな顔をしていた

 

この学園は、前にも説明したように、軍事学校であり、能力者を育成する施設である。

そのため、教科には「戦闘訓練」があったり、体育で模擬戦闘を行ったりする。

成績は、戦闘訓練や、模擬戦闘の時などに獲得した「ポイント」がそのまま成績となる。

そして、勉強の成績が良くなかったとしても、戦闘成績が高ければ、かなり評価される。逆に、戦闘成績が低いといくら勉強を頑張ったとしても、高評価は得られない。

なんと柳火は驚くべきことに、戦闘成績が恐ろしいほど低いのだ

「僕、戦闘って苦手なんだよね・・・」

「あ、あぁぁ、お前の成績ってそういえば・・・・」

「やばかったよな、スゴヤバ」

二人の表情が曇る。

もちろん柳火は無表情になってしまっている

柳火の戦闘成績が低い理由、それは

 

能力を、いっさい使っていないのだ

能力を使っていない状態の彼は、凡人なみの力しか持ち合わせておらず

戦えば、必ず負けるレベルだった

戦闘訓練では、基本ができても、それ以上の応用や、高度な技術が扱えず、他の生徒より、かなり遅れている。

「柳火、能力使ったらどうだ?このままだと・・・・・」

「わかってるよ・・・・・・・・!」

いつもはやさしい彼の顔は、今ばかりは、睨むような、恐ろしい形相だった。

「・・・・・柳火?」

二人は知らなかった

柳火の心の「闇」を

「・・・・・わりぃ、触れちゃいけねぇことだったかな、能力に関しては」

「っ、ご、ごめん、そんなつもりじゃ・・・・・」

「いや、いいんだ!悩みがあんなら相談しろよな!!!」

励まされる

あまり、あまりうれしくはなかった・・・・・

 

1時間目が開始された

「よぉし!!全員いるな!!これより!模擬戦闘テストを行う!!」

おおきな声で説明を行う強面の教師は、戦闘訓練科担当の

「後藤 憐崩(ごとう れんほう)」という。

熱血漢で、とにかく熱い、が生徒のことを第一に考えてくれるいい教師だ

それにすごい筋肉だ・・・・・・・・

「ルールは知っているな!?1対1で戦闘し、相手を起き上がれない状態にするか、それか相手を殺す!!これで勝敗を決する!!」

「だが!!俺はお前らに誰一人死んで欲しくはない!!そこで!俺流のルールで戦ってもらう!!!」

歓声が上がる

そう、憐崩先生は生徒を第一に考えるため、死者を出さないように、自己流のルールで戦わせてくれる。

そのため、他の教師とは比べ物にならない、圧倒的人気を誇る、そう、たとえるなら、父親的存在だ。

6、7歳のころからここに通う生徒たちにとって、これほど暖かい存在はいない

それにすごい筋にK((

「俺ルール第一!!」

そう憐崩先生が言うと生徒たちも「第一!!」などと復唱し、叫ぶ

子供じみてはいるが、心が温まるような感じがする。

「地面に倒れこんだまま10秒間起き上がらなかったらその場で負けとなる!!」

「俺ルール第二!!」

生徒「「「第二!!」」」

「制限時間は一時間とするっ!!」

「俺ルール第三!!」

生徒「「「俺ルール第三!!」」」

「相手を!殺してはいけないっっ!!!」

わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

再び歓声があがる

それはまるで感動的な「なにか」を見た時のように

 

こうして、戦闘は開始される・・・

戦闘訓練は他の教科と違い一時間三十分を使用する

きっと模擬戦闘が終わった後は食事会でもするんだろうか

(まだ、朝だけどね)

 

組み合わせ表が配られる

そこには、望まなかった、たたかいたくなかった人物の名が記されていた

「千崎 柳火 対戦相手 星夜」

彼は、戦慄した・・・・・・・